多くの治療院(鍼灸院/整体院/接骨院)では、顔面や背面の経絡に対する施術は行っても、腋窩リンパ節に関しては意外と見落とされている事が多々見受けられます。腋窩リンパ節の詰まり(こわばりを含めて)による弊害は以下の通りです:

肩凝り/頚凝り/自律神経失調/目眩/皮膚張感低下(瑞々しさの低下)/冷え性/円背/虚血性心疾患/寝違い

腓腹部や臀部と並んで槍玉に挙げられやすい腋窩リンパ節ですが、意外とケアの方法が知れ渡られていないという事実も有ったりします。エステサロンでは顔面への施術時に必ずといって良いほど腋窩リンパ節へのケアを行いますが、頚部〜胸部への施術を行う事により、全身のリンパ液の循環を促進させると共に、副交感神経の働きを優位にし睡眠の質を上げる事で、皮膚のターンオーバーを改善させる事にも役立っています。

腋窩リンパ節の周囲に有る運動器は大胸M/小胸M/前鋸M/鎖骨下Mですが、他の部位に比してさほど疲弊感を伴わない事から、ついつい見逃されやすい部位でもあります。

女性に多発する悪性腫瘍の一つに乳癌がありますが、男性も他人事ではありません。腋窩リンパ節よりやや外側上方に好発すると言われておりますが、何よりも胸Mに発生する「痼り」が特徴です。

乳癌への対処としては温存オペか全摘オペといった事が一般的ですが、前者は上肢の運動機能は保証されますが、他部位への転移に対するリスクがそれなりに大です。対して後者は、転移リスクは若干少ないものの、上肢の運動機能や呼吸機能、姿勢、QOLの大幅低下といった、多大なデメリットが伴います。

乳癌に対する事柄は他のサイトでも詳細に取り上げられていますので、当サイトではここまでにさせて頂きますが、要は腋窩リンパ節の詰まりが身体的にも、精神的にも多大なダメージとなり得る認識をもっと持って頂きたいのです。

現在、COVID-19[SARS-CoV-2](新型ウイルス)の感染拡大による免疫力低下が殊更問題になっておりますが、免疫力という観点からも、腋窩リンパ節のケアは最重要課題と位置付けられるべきと考えます。

腋窩リンパ節の詰まりによりリンパ液や血液循環を停留させ、周囲筋群が凝り固まってしまう事により、リンパ液に含有する免疫細胞の活性も低下し、上肢を中心とする周囲の血液循環悪化を促進させるという悪循環に陥ります。

腋窩リンパ節周囲の筋群に異常を来すと、小胸Mを通じて背面や肋骨、胸部の歪みに繋がり、それが腰痛にも連動するといった具合です。何も腰痛を臀部由来とか脊椎由来だけに着目していては、違う要素を見逃している事に気付かなくなります。「木を見て森を見ず」といった諺そのものです。

今流行の「筋膜リリース」といった言葉も本来は整体由来ですが、鍼灸でも確りとこなせます。鍼灸は特定の部位だけに作用させるような術式ではなく、広範囲にわたって「運化」を改善させる働きもあります。

重要な事ですので、再度書きます:

腋窩リンパ節の詰まりが如何に免疫力や姿勢の悪化をもたらしているか、そして身体的にも、精神的にも多大なダメージを与える原因になっているかを改めて再認識してください。