加齢と共に、膀胱の機能低下によって引き起こされる生理的障害の一種で、腎臓の機能障害が引き金になっているもの、前立腺の機能障害によるもの、その他外的要因性の3つに分類されます。

過活動膀胱(OAB:OverActive Bladder)とは、強い切迫性の尿意を催し、多々繰り返される病態を指します。尿が溜まっていないのにも拘わらず、膀胱の収縮が活発になり、尿が漏れそうな感覚が現れたり排尿回数が極端に多くなったりします。

膀胱出口には平滑Mの一種である内尿道括約Mと横紋Mの一種である外尿道括約Mの2つの組織があり、排尿時に膀胱の開閉を行う、所謂ゲート的役割を担います。正常な状態では、強い尿意を催しても、膀胱内圧はさほど上昇せず、排尿時には排尿反射により骨盤神経(副交感N)を介して膀胱の収縮がしっかりと為されます。

しかし、脳からの指令が膀胱で異常を来している場合には、膀胱内圧が高まっていると誤認識し、必然的に排尿の頻度が増します。早めに手立てを為した場合では、日常生活への影響は少ないのですが、手遅れの場合では無意識的に尿失禁(尿漏れ)が起きていたりするケースもありますので、泌尿器科での診察になります。

ただ、薬物投与による弊害は、正常な膀胱の働きを阻害することにも繋がります。他の生理的機能の障害にも引き金となる場合もあります。

鍼灸では、脚少陰経を意識した施術となりますが、病証的には肝虚腎虚といった具合で、経穴は「曲泉」「大衝」「地機」「陰陵泉」「曲沢」とします。他にも、仙部を意識した、骨盤神経の働きを改善していくようなアプローチも必要です。

当該症例が引き金となって不眠等のQOL低下を引き起こしていては、元も子もなくなります。やはり、当該症例も部分部分での対処ではなく、全身症例とみなして対処しなければ、それこそ姑息手段と化します。