当該症例は月経の2〜3週間前から出現する心身的症例の一つで、「月経前緊張症」ともされます。様々な身体的及び精神的症例が出現するのが特徴で、月経が開始すると改善します。

但し、寛解するのも一時的で、症例の軽度の内は生活習慣の見直しで改善方向に向かう事も多いですが、重度の場合は抗鬱剤(精神安定剤及び睡眠剤を含みます)の服用が見受けられたりします。抗鬱剤の副作用としては、口渇/頭痛/眠気/便秘・排尿障害/胃腸障害等と割と広範囲に波及します。

当該症例は黄体期に発症して、次の性周期の卵胞期になると症状が改善することから、エストロジェンとプロゲステロンの分泌異常及び腎臓に関与するレニンやアンジオテンシン、アルドステロン等の内分泌異常による複合的内分泌症例と言っても差し支えがないほどです。

鍼灸施術はこのような内分泌症例に対しても、服薬に見受けられるような副作用なしで心身に穏やかに作用していきます。

病証的には「肝実」「腎実」「肺虚」といった具合で、肝の怒張を抑制し腎の内分泌抑制を図る事が肝要となります。

経穴的には次の物で対処します:「太衝」→「中封」→「中都」→「陰包」→「章門」(脚厥陰経)に多壮灸、「交信」→「陰谷」→「四満」→「盲兪」→「石関」→「腹通谷」→「歩廊」→「神蔵」(脚少陰経)に弱電気鍼(※「歩廊」と「神蔵」は浅置鍼)
「胸郷」及び「天𧮾」(脚太陰経)は低温多壮灸